新海誠展「ほしのこえから君の名は。まで」感想

f:id:rainysteria:20171210115923j:image

随分日があいてしまいましたが、2017年12月9日。

国立新美術館新海誠展に行ってきました。

秒速5センチメートルから新海誠さんのことは知っていたものの、言の葉の庭などそれ以降の新作は素通りしていました。そして2016年に君の名は。で秒速のときには気付けなかった新海誠ワールドに魅了されました。

君の名は。は映画を何度も観たしBlu-ray購入したし(Blu-rayのためにPS3を譲ってもらうところから…)聖地巡礼もしました。

そんなわけで、展覧会自体は過去作品も含めての新海誠展でしたが、私は完全に君の名は。目当てでした。

 

展示の内容は主に絵コンテや解説、新海氏の作業環境の紹介など。

2002年当時の作業環境を再現したのと、2016年の作業環境を比較すると時代の流れを感じましたね。技術の進歩ってすごい。

絵コンテや設定資料集などの隣に完成形であるアニメーションが流れていて、製作の過程がわかりやすく並べてありました。プロジェクターを用い、秒速5センチメートルのエリアでは桜の花びらが降ってきたり、言の葉の庭エリアでは終始雨音に包まれる空間を演出していたりと、学芸員さんの作品への熱意を感じられる展示でした。

 

何よりも感動したのは、展覧会に入ったときのオープニングムービーと、展覧会のラストにあるクロージングムービー。

これはtwitterなどで検索したらわかると思いますが、とにかく感動させにきてます。泣かせに来てます。企画者と学芸員さんの愛の賜物です。

どういうものかと平たく言えばRADWIMPSの曲に合わせて全作品のカットを切り貼りしただけの、言うならばニコニコ動画などで投稿されているようなムービーで、ファンアート、MADと呼べてしまうものなんですが。

オープニングムービーではこれから新海誠ワールドに足を踏み入れるという期待を高揚させて毛穴が縮む思いでしたし、そこから2時間以上かけてじっくりと新海誠ワールドの基となった原稿や資料集などを堪能して、人生観とか宇宙観とか運命とか、見える景色の尊さとか色付く世界の耽美とか、そういうものを胸に染み込ませて、ここが六本木の新美術館だということも忘れて物語の世界に入り込んで、宇宙を漂う感覚になったところに、あのクロージングムービーを観せられたら……泣きますよ。なんか今これここまで書いてて、「あーこりゃ私泣いたのも納得だわ」ってなってる。うまく伝えられないけれど。

悲しいわけでも嬉しいわけでもない。「感動した」と言ってもどういうふうに心を揺さぶられたのかはうまく説明できない。ただ、放出できない感情が涙になる他になかったです。

 

稚拙な感想文になってしまいましたが、素晴らしい展覧会でした新海誠展。

君の名は。をもっともっと好きになったし、秒速5センチメートルももう一度ちゃんと観てみよう、他の作品も気になったから観てみたい、そう思える展覧会でした。

たぶん「君の名は。は好きだけど他の作品を知らないから…」と今回の新海誠展を諦めた人たくさん居ると思うんですが、作品知らなくても全然大丈夫でした。むしろ過去作品を知らない人に「観たい!」と思わせてくれる展示だったし、君の名は。がメインに据えられていたしね。

 

新海誠展に行く前日に自宅で君の名は。Blu-ray鑑賞していたんですが(予習)、展覧会から帰る道中も「あーBlu-ray観たい!Blu-ray観なきゃ!あー!あー!」と脳内ぐちゃぐちゃ。

君の名は。については語りたいことがいっぱいで、Blu-ray観るたびに脳内がぐちゃぐちゃになります。それを整理するためにも近いうちにここに書き留めておきたいです。上映期間中にちょろちょろとtwitterで吐き出したけど、そんなんじゃ全然足りないんだもん。

…ただ、うまく言葉で表現してまとめられないんだよなぁ。

 

新海誠展 「ほしのこえ」から「君の名は。」まで